見えないものにこそ細心の心配りの環境衛生管理業務

建物につどう人々が健康でストレスなく業務に従事するために、建物内の衛生的環境を整え、利用者の健康を守る役割を担っております。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に維持すべき環境基準が定められています。これらの基準が実際に守られているかどうか、室内の空気環境測定、受水槽・高架水槽の清掃、水質検査、排水槽(汚水・雑排水槽)の清掃、害虫防除等の各項目を計画し、報告書等の作成保存を行い、建物の快適空間の創造に努めます。
更に定期的な業務だけでなく、状況によって柔軟に対応し、オーナ様からのお悩み、ご相談に対応させて頂いております。環境衛生管理業務では、利用者の方の健康はもちろん、建物自体を健康に保つ気持ちを持って取り組んでおります。

※特定建築物以外の建築物であっても、多数の者が使用、利用するものについては、建築物環境衛生管理基準に従って維持管理をするように努めなければならない(法第4条第3項)こととされており、いわゆる努力義務がかせられています。

環境衛生管理業務の職務と役割

維持管理業務計画の立案

  1. 年間または中長期にわたる衛生的環境の確保のための総合計画
  2. 衛生的環境の確保に関する個別計画
    1. 空気設備の整備計画
    2. 給排水設備の整備計画
    3. 空気環境等の測定計画
    4. 水質検査実施計画
    5. 清掃及びゴミ処理の実施計画
    6. ねずみ衛生害虫の点検防除計画
  3. 設備、機器等の整備、改修に関する計画(必要経費の検討含む)

是正措置

  1. 帳簿書類の様式改正及び記載方法の改善
  2. 居室利用形態の是正
  3. 室内空気環境や飲料水の水質などの問題点の改善
  4. 清掃、ゴミ処理等の処理方式の改善
  5. 設備、機器等の老朽化、能力低下への対応策の検討及び改善策の作成
  6. 建物所有者に対する意見具申(改善策の提示)

上記職務を遂行するために心がけていること。

  • 技術管理の目標、範囲、管理基準等を常に正確に把握する。
  • 室内環境衛生に関連のある各種環境要素の衛生的意義を理解しておく。
  • ビルの建築構造、機械設備の機能等を熟知しておく。
  • 管理基準の衛生学的な意義、測定機器の機能、測定結果に対する評価、結果に対する措置等に関する一連の知識を十分に心得ておく。
    所有者、管理者、使用者の三者による緻密な連絡調整をとりながら、必要に応じて利用者に対する衛生教育を行い、衛生的な環境の確保を図っていく。

環境衛生管理業務の主な内容

空気環境測定や水質検査、空調設備の管理、貯水槽、排水槽等の管理、清掃、ゴミ処理、ねずみ、衛生害虫の点検・防除等を実施し、それらのデータを評価します。
その結果何らかの問題点があれば是正措置を講じます。

年間管理計画:計画に基づき進行管理を行います。

1.空気環境測定


近年の建築物は、機密化が進んでおり、空気環境の悪化が懸念されています。
空気環境の悪化は、その建築物に居住している人々、働いている人々の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ビル内で働く人々が、健康で快適に過ごせるように指定検査項目等が適正な値を保っているか定期的に測定を実施します。

公共施設、店舗、事務所で、かつ延べ床面積が3,000㎡(学校は8,000㎡)を超える特定建築物では、建築物における衛生的環境の確保に関する法律により、2ケ月に1回、年6回の空気環境測定を行わなければならないと定められています。
測定項目として、浮遊粉じん、一酸化炭素、二酸化炭素、温度、湿度、気流などの管理項目(6項目)が指定されています。

2.受水槽・高架水槽の清掃


ビル管法や水道法の中では、受水槽の有効容量の合計が10?を超える場合は、利用者が安心して水を使用できるよう年1回の貯水槽の清掃や設備・水質の定期点検が義務つけられています。
※法令に該当しない小規模水槽の管理
特定建築物以外の10?以下の貯水槽は法的規制が無いため管理が不十分な施設が多く見られます。
これらの施設でも、準じた適正な維持管理を行う必要があります。

3.飲料水の水質分析


飲料水の汚染による食中毒等の健康障害を防止するために、飲料水の水質検査を行っております。
施設の規模等により各法律で検査項目・頻度が定められています。

維持管理基準

  1. 給水設備を設けて水を飲用する場合や冷却塔、加湿装置に供給する水は、定期的に水質検査を実施し、その結果が水道法第4条の規定による水質基準に適合していなければなりません。
  2. 雑用水に関しても定期的に水質検査を実施し、建築物における衛生的環境の確保に関する衛生的環境の確保に関する法律施工規則に掲げる基準に適合していなければなりません。

    ビル管理法該当物件は、飲料水(水道水・地下水)、給湯水、雑用水について定期的な水質検査の実施が必要となります。
    消毒副生成物12項目については、6~9月の指定期間中に検査する事になっています。

4.排水槽(汚水・雑用水槽)の清掃


排水に関する設備の清掃は、6ケ月以内ごとに1回行わなければなりません。

  1. 排水管清掃
    腐敗した食物屑、油脂、毛髪。繊維屑など、これらの汚れが排水管内部に付着し、徐々に蓄積され排水管内部を細くし、排水不良や悪臭の発生を招く原因となります。
    このような汚れを取り除き、常に良い流れを保つことによって、快適な生活環境衛生を維持すると共に、排水管の劣化予防策としても排水管清掃は重要な意味を持っています。
  2. 排水槽清掃と汚泥処理
    グリストラップ及び排水槽の清掃は、定期的に実施する必要がありますが、清掃時に排出される汚泥は産業廃棄物となり、廃棄物の処理並びに清掃に関する法律に従って処理をしなければなりません。
    ※汚水槽で出た汚泥は一般廃棄物です。

5.ペストコントロール(害虫防除)


6ケ月以内ごとに1回行わなければなりません。
生活環境の中で病原菌を媒介し、赤痢・腸チフス・食中毒・日本脳炎等の伝染病を広める役目をする恐れのあるネズミ・ゴキブリ等を衛生動物。衛生害虫と称しています。
害虫等は自然発生的に増加していきますので、放置すると建物の衛生環境を損なうばかりか、各種の病原菌を持ち込む事になります。
害虫等の侵入防止対策や環境対策(清掃や整理整頓など害虫が繁殖できない環境を整えること)を実施します。

IPMという手法を駆使して

IPMとは「総合防除」の意味です。「総合」とは様々な防除対策を組み合わせて行うという事で、薬剤偏重による環境への悪影響を低減すると共に、より効果的な防除を目的とした手法です。
具体的には、予め防除対象生物や場所ごとに「維持管理基準」を定め、事前調査により問題点や維持管理基準を超える場所をその都度見定め、状況に合った最適な防除対策を実施し、実施後にはその効果を判定します。
その場の状況をよく観察して、先ずはどこまで有害生物を減らせば実際の害を防げるのか、どんな対策の組合せが良いのか、それはいつ行うべきなのか、などをきちんと計画してから実施する必要があり、それには有害生物それぞれの習性やさまざまな対策の知識と技術を併せ持った施工を行います。

※IPM:Integrated Pest Management。「総合防除」や「総合的有害生物管理」のこと。


設備の点検

1.空調管理


  1. 排気口や冷却塔が、当該ビルや隣接ビルの外気取入口に悪影響を与えていないか。
  2. 空調機器周囲または空調機械室が物置化していないか。
  3. フィルタやコイル、排水受け、加湿装置、冷却塔などは汚れていないか。
  4. 環気口や排気口を塞いでいないか。トイレや給湯室の排気は適正か。
  5. 厨房グリスフィルターは適正に機能しているか。フードなどが油まみれになっていないか。
  6. 空気環境測定(二酸化炭素、相対湿度等)結果は良好か。

2.飲料水(湯)管理


  1. 飲料水(湯)は、末端給水(湯)栓の残量塩素が基準値以上、または55℃以上に保持されているか。
  2. 貯水槽の上部に給水管以外の配管が設置されていないか。
  3. 貯水槽は安全に点検できるか。貯水槽の周囲の点検スペースが物置になっていないか。
  4. オーバーフロー管・通気管の防虫網は破損していないか。
  5. 貯水槽の吐水空間・排水口空間が確保されているか。
  6. 飲用系から補給を受けている飲用以外の水槽(冷却塔、膨張水槽、消防用補助水槽、雑用水受水槽、消防水槽等)の吐水口空間は確保されているか。
  7. 地中埋設型散水栓が水没していないか。給水栓にゴムホースを付けたまま水の入ったバケツの中に放置していないか。

3.雑用水管理


  1. 使用用途は適正か。
  2. 誤飲防止策は十分か。
  3. 残留塩素が基準値以上検出されるか。塩素消毒設備は設置されているか。

4.排水管理


  1. 排水槽や湧水槽にチョウバエ、ユスリカなどが発生していないか。浮遊物(スカム)や悪臭の発生はないか。
  2. 厨房に3槽以上の適正なのグリストラップは設置されているか。グリストラップの網かと浮いた油脂は毎日掃除しているか。詰り、悪臭、浮遊物、沈殿物は著しくないか。

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